- BtoBマーケティングとは何か(BtoCとの違いを含む)
- BtoBマーケティングの基本の6ステップと戦略立案の流れ
- 成果を上げるための具体的な施策・手法7つ
- 【2026年最新】BtoB購買プロセスはAI検索でどう変わっているか(実態データ)
- 【2026年最新】GEO/LLMO・エージェンティックコマース時代のBtoBマーケティング対策
- BtoBマーケティングの成功事例

この記事の監修者:渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)
SEOコンサルティング会社の経営者。
これまで複数のwebサイトの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。

この記事の著者:伊藤 寛規
月間5,000万PV越えのWebメディア「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験。「転職サイト」「マッチングアプリ」「退職代行」「動画配信 おすすめ」「クレジットカード」など、日本最難関クラスのキーワードで検索上位獲得した実績多数あり。
企業間取引において、顧客を獲得し、関係性を築き上げ、売上につなげていくためには、BtoBマーケティングの考え方が必要不可欠です。
しかし、BtoBマーケティングは一般的になじみのないものなので、何から手をつけていいのかわからず、以下のように頭を悩ませているマーケ担当者も多いのではないでしょうか。
「BtoBマーケティングの担当になったものの、何をどうしたらよいのかわからない…」
「まずはBtoBマーケティングの基本を学ぶことから始めたい」
そこで本記事では、BtoBマーケティングにおける戦略立案の方法や流れなどの基礎知識をわかりやすく解説します。
BtoBマーケティングで成果を上げるためのポイントなども紹介しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、法人向けに商品やサービスを認知させ、選ばれるための戦略的なマーケティング活動全般のことを指します。
そもそも「BtoB(Business to Business)」とは、企業間取引を意味しますが、個人向けのBtoC(Business to Consumer)とは、製品やサービス導入のプロセスが大きく異なります。
BtoB取引では、製品やサービスの導入にあたって、複数の担当者による比較検討や稟議が発生するのが一般的です。
そのため、BtoBマーケティングでは、次のようなステップを踏む必要があります。
- リード(見込み顧客)の獲得と育成(ナーチャリング)
- 見込み顧客に対して商談実施を打診
- 商談で相手企業の課題に応じた適切な提案
- 受注
- 中長期的な関係性の構築(カスタマーサクセス)
たとえば、IT企業が自社開発の業務システムを提案する場合、「検索やWeb広告からリードを獲得 → 担当者との商談 → 具体的な課題に合わせた提案 → 契約」といったステップを踏むケースが多いでしょう。
一方で、BtoCは良い商品と思ったら即購入に至る場合も多いです。
このように、BtoBマーケティングは「即決」よりも、「信頼構築」と「論理的な比較・検討」を前提として進めていく必要がある点が特徴です。
伊藤実際に、当社でもSEOというBtoBマーケティング手法を用いてリードを獲得し、商談→受注という流れで顧客との契約を獲得しています!
BtoCマーケティングとの違い
企業を対象にしたBtoBマーケティングと、一般消費者を対象にしたBtoCマーケティングでは、以下のような違いがあります。
| BtoBマーケティング | BtoCマーケティング | |
|---|---|---|
| 対象 | 企業 | 一般消費者 |
| 顧客母数 | 少ない | 多い |
| 取引単価 | 高い | 低い |
| 取引のプロセス | 複雑・長期 | 単純・短期 |
| 顧客の購買目的 | 売上向上・経費削減など | QOLの向上・エンタメなど |
| 顧客の購買動機 | 組織としての合理性や価格の優位性 | 感情・利便性・ブランドイメージ |
| 顧客との関係性 | 長期的な信頼関係の構築が重要 | 短期的な関係にとどまることが多い |
上記のとおり、BtoBとBtoCではさまざまな違いがありますが、注目しておくべきなのは取引プロセスの違いです。
たとえば、BtoCでは、気に入った商品を見つけた消費者が即決で購入するケースも少なくありません。
一方、BtoBでは意思決定者が複数いるため、取引プロセスが複雑化・長期化する傾向にあります。
そのため、いかに信頼関係を築いて、意思決定者を納得させるのかが、BtoBマーケティング成功のカギとなってくるわけです。
BtoBマーケティングはオンライン施策の重要性が増している
BtoBマーケティングでは、デジタル広告やSEOをはじめとするオンライン施策の重要性が増しています。
元々デジタル化が進行し、インターネットでサービス探しを行う企業が増えていたところに、コロナ禍が発生。
在宅勤務が進行し展示会にも人が集まらなくなったり、電話が担当者につながらなくなったりしたことで、展示会やテレアポに割いていた予算を、オンライン施策に割く企業が一気に増えたのです。


加えて、情報収集の主導権が顧客にある時代において、選ばれる企業になるためには「自社が発見される仕組み」が必要になってきています。
かつては、営業担当が情報提供の主導権を握り、顧客との関係づくりをリードしていました。しかし現在は、顧客側が自らWeb検索や資料ダウンロードを通じて、購入候補を選定する時代です。
実際、トライベック社の「BtoBサイト調査 2023」によれば、企業の購買担当者のうち65.1%が情報収集に最も利用するチャネルを「Webサイト」と答えています。
従来は展示会やテレアポなどを通じて知り合った営業担当が主な情報源でしたが、現在の情報源はインターネットが中心となっています。
例えば、検索を通じて、製品やサービスの情報を収集するプロセスは以下のようなイメージです。


上記のようなプロセスを踏む人が増えた結果、営業が接触した段階ではすでに「比較検討段階」に入っていることが多く、その前段階で顧客とインターネットを通じたタッチポイントを持っていなければ検討リストにすら載らないというリスクがあります。
だからこそ、オンラインのBtoBマーケティング施策を実施することによって、
- 認知〜比較検討段階の各フェーズで顧客とのタッチポイントを持てるようにする
- 自社に対する信頼・理解を事前に構築する
といった状態を目指すことが不可欠になるのです。
知らないうちに契約機会を逃してしまう前に、水面下で行われる「顧客の選定行動」にアプローチすることこそ、オンラインのBtoBマーケティング施策の最大の価値といえるでしょう。
テレアポや展示会なども引き続き有効
ここで勘違いしてほしくないのが、テレアポや展示会など、従来からあるBtoBの営業・マーケティング施策も引き続き有効であるということです。
確かにデジタル化やコロナ禍により、BtoBマーケティングのオンライン化が一気に加速しました。
それに伴い、例えばコロナ禍で在宅勤務が進んだからテレアポは意味がないと言われますが全くそんなことはなく、弊社では引き続き100~150コールかければ1アポイントは安定して獲得することができます。
150コールであれば、社員1名が1日でできるので、社員1名あたり月間20件の商談を設定できるという計算になり、これはオンライン施策に比べても十分に高い費用対効果だと言えるでしょう。
オンライン施策ばかりに目を向け、テレアポや展示会など従来型のBtoBマーケティング施策を軽視してしまうのは、本末転倒なので注意してください。
【2026年最新】BtoB購買プロセスはAI検索でこう変わっている
2024年以降のChatGPT・Perplexity・Google AI Overviewsの急速な普及により、BtoB購買担当者の情報収集プロセスは「Webサイト中心」から「AI検索を組み合わせた調査」へと急速にシフトしています。
カスタマージャーニーが従来から以下のように変化しています。


まずは、この変化の実態を最新データで押さえましょう。
具体的な対策(GEO/LLMO・エージェンティックコマース対応)は記事後半「【2026年最新】GEO/LLMO・エージェンティックコマース時代のBtoBマーケティング対策」で解説します。
BtoB購買担当者は一般消費者の3倍のスピードでAI検索へ移行している
AI検索の普及スピードはBtoB領域でとくに速く、海外の業界調査では以下のようなデータが報告されています。
- B2Bバイヤーは消費者の約3倍のスピードでAI検索を採用している
- 購買プロセスにおいて生成AIを活用している企業は90%に達する
- B2Bバイヤーの25%は、ベンダー調査で生成AIが従来の検索を上回ったと回答
- Google検索の半数でAI Overviewが表示される状況に
B2B buyers are adopting AI-powered search at 3× the rate of consumers, with 90% of organizations using generative AI in some aspect of their purchasing process.(B2Bバイヤーは消費者の3倍のスピードでAI検索を採用しており、90%の組織が購買プロセスの何らかの段階で生成AIを使用している)
引用:Foundation Inc.「How AI Search Is Rewiring B2B Software Buying (G2 Report)」
つまり「指名検索で自社サイトを訪問してもらう」前に、AIが生成する回答の中で自社が言及される段階からすでに購買プロセスが始まっている、という前提で設計が必要になっています。
BtoBマーケター側もAI活用が当たり前に(使用率96%)
バイヤーだけでなく、マーケター側のAI活用も2026年時点で完全に常識化しています。
- BtoBマーケターの96%が日常業務でAIを使用
- 47%が2026年に最も期待しているトレンドとしてAIを挙げている
- 45%がAI関連マーケティングツールへの投資を増やす予定
AI活用は「特別な施策」ではなく、競合も当然使っている前提のうえで何をどう使うかで差がつくフェーズに入っています。具体的な対策は、記事後半「GEO/LLMO・エージェンティックコマース時代のBtoBマーケティング対策」で詳しく解説します。まずは基本のステップを先に押さえましょう。
BtoBマーケティングの基本の6ステップ
BtoBマーケティングでは、自社サービスを認知してもらうだけでなく、受注までの間も顧客と良好な関係性(リレーション)を築くことが非常に大切です。
そして、受注までには、以下のようなステップを踏むことが多いです。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
- 商談
- 受注
- 継続利用
なお、すべての顧客が6ステップを踏むことになるかというと、そうではなく例えば、リード化した後すぐに商談⇒受注に至るケースも多いです。
ただし、これらの6ステップは「BtoBマーケティングの土台」といえるフレームワークであるので、各フェーズの基礎やポイントを理解し、どのフェーズに課題があるのかを見極めて改善することが、マーケティング成果を高める近道となります。
それでは、それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
1. リードジェネレーション
BtoBマーケティングのファーストは、「リードジェネレーション」からです。
リードジェネレーションは「リード獲得」や「見込み客創出」とも呼ばれ、自社の商品・サービスに関心を持つ可能性のある企業や担当者の情報を集める活動を指します。
初期段階で質の高い見込み客を確保できていれば、あとに続く営業・マーケティング活動が円滑に進むことになるため、BtoBマーケティングの根幹とも呼べる最重要なステップのひとつです。
リードジェネレーションの手法としては、以下のようなものが挙げられます。
| 分類 | 施策 |
|---|---|
| オンライン施策例 | デジタル広告 |
| SEO/LLMO対策・オウンドメディアマーケティング | |
| コンテンツマーケティング | |
| 比較・ポータルサイトへの掲載 | |
| SNSマーケティング | |
| オフライン施策例 | テレアポ・電話営業 |
| 飛び込み営業 | |
| 展示会 | |
| セミナー | |
| DM(郵送、FAX) |
また、近年は、オンラインとオフライン双方のチャネルを組み合わせたアプローチも頻繁に用いられるようになっています。
効果的なリードジェネレーションがBtoBマーケティング成功の鍵を握っているため、丁寧に作業を進めることが重要です。



リードの数・質によってその後の受注数や成約率には大きな違いが出てきます。
リード獲得について課題を抱えている場合は、以下の記事もぜひ参考にしてください。


2. リードナーチャリング
見込み顧客を獲得したあとは「リードナーチャリング」のステップに移行します。
リードナーチャリングとは、見込み顧客と継続的にコミュニケーションを取り、購買意欲を高めていく活動のことです。
BtoBの購買プロセスは長期化・複雑化しやすいうえに、リードの質も様々なので、単発のアプローチだけでは関心度が低い見込み顧客を取りこぼしてしまう可能性があります。
そのため、見込み顧客を自社顧客に「育成」するプロセスが必要になるのです。
例えば、Webサイト経由で「お見積り依頼」をしてきた見込み客は今すぐの導入を検討しており、すぐに商談化し、そのまま短期で受注にいたる可能性が高いでしょう。こうしたリードに対してはナーチャリングは不要です。
(リードになる前にすでにナーチャリングが完了しているとも取れます。)
一方で、展示会の際にほとんど話し込まず名刺だけ交換している見込み客に関しては、商談化率が低く、別のアプローチ方法でじっくり育てていく必要があるでしょう。
そういった見込み客には、メルマガを何度か配信し、MAツールなどで開封率やWebサイト遷移率を測定。
関心度が高いようであれば、ウェビナーに招待し、その後商談を打診するという方法で攻めるのも効果的です。
すぐに商談化が難しい見込み顧客に対し、メールマガジンやホワイトペーパーなどを通じて情報提供したり、必要に応じてヒアリングを実施したりしていれば、自社製品・サービスへの関心を一層高めてもらうことができます。
また、長期的な関係性そのものが、競合他社との差別化になり得る点もポイントのひとつです。


3. リードクオリフィケーション
リードナーチャリングに続くステップとしては、「リードクオリフィケーション」が挙げられます。
リードクオリフィケーションは、育成した顧客の中から購買意欲の高い顧客、いわゆる「ホットリード」を選別するプロセスのことです。
時間をかけて顧客を育成したとしても、すべての顧客が必ず商談に進むわけではありません。
そこで、商談・成約につながるホットリードをピックアップし、営業リソースを最適に配分するステップが重要になるのです。
リードクオリフィケーションの方法としては、手動で行うほか、Webサイトの閲覧履歴や問い合わせ内容などをもとに顧客をスコアリングし、一定の基準を満たした場合のみ営業担当者がアプローチするといった手法が考えられます。
顧客データの測定とスコアリングには、MAツールが活用できます。
MAツールには、Webページの閲覧、メールの開封、資料DLなどの行動に基づいた点数を設定し、合計点が高い「今すぐ客(ホットリード)」を自動で判別する機能が備わっています。
ただし、最適なスコアリングの方法は個々のケースによって変わるため、営業担当者や顧客へのヒアリングなどを通して、慎重に判断することが大切です。
4. 商談打診・商談
リードクオリフィケーションによって顧客の選別を終えたあとは、インサイドセールスが商談を打診し、成功したら商談に進みます。
商談打診や商談の成功率は、営業担当者の能力によって大きく上下しますが、これまでのステップを適切に踏んでいれば、商談や受注に至る可能性を最大化できるでしょう。
商談では、蓄積した顧客情報を活用し、具体的なニーズを深掘りしながら、自社の製品・サービスがどのように役立てられるのかを提案することが大切です。
同時に、商談で相手にする顧客に合わせて、伝える内容を意識的に取捨選択し、Webサイトに載っていない情報や商談相手のクライアントならではの情報を交えながら提案を行うなど、「新しい発見」がある商談を行うことがポイントです。
商談後の受注率は、業種や商品・サービスの種類によって大きく異なりますが、一般的には10%~30%が相場です。
もしも受注率が10%を下回るような場合は、商談内容の見直しを検討したほうがよいかもしれません。
また、担当者の営業力やリードの質次第では、80%を上回らせることも十分可能です。
ステップ1の「リードジェネレーション」とステップ4の「商談」のフェーズは、受注数や受注率に最も強く影響を与えます。
そのため、BtoBマーケティングを進めるうえでも、特に重視すべきフェーズだと言えるでしょう。
リードジェネレーション能力の向上と、社員の商談力の向上には、積極的に予算とリソースを透過していくことをお勧めします。
5. 受注
商談で合意を得られれば、実際に商品・サービスの提供を受注することになります。
なお、BtoBマーケティングにおいては、受注することがゴールではありません。
次のステップで解説する継続利用の可能性も見据えながら、受注手続きを進めていくことが重要です。
6. 継続利用
BtoBマーケティングの最終ステップとなるのは、受注後の継続利用に向けた取り組みです。
このフェーズは、カスタマーサクセスチームが担います。
BtoBビジネスでは、既存顧客からの収益が全体の約7割を占めるともいわれています。
つまり、顧客との長期的な関係構築こそが、ビジネスの安定成長に直結するのです。
また、新規顧客を獲得するよりも既存顧客を維持したほうが、コスト・労力の面でもパフォーマンスに優れています。
たとえば、長期利用者向けの特典を用意したり、個別のアフターフォローを実施したりすれば、顧客満足度が向上し、継続率も高まるはずです。
ただし、継続利用に向けた取り組みは、マーケティング部門だけで完結できるものではありません。
実際に顧客と接する営業部門やカスタマーサクセスチームとも連携しながら、顧客体験の向上に向けた施策を展開することが成功の鍵となるでしょう。



継続利用の取り組みでは、解約率などを低く保つことを目標とするケースが多いですが、既存顧客向けにアップセルプランなどを設けることも手法の一つです。事業フェーズや規模に応じて適切な戦略を策定しましょう。
BtoBマーケティングに取り組む際の流れ
ここまででBtoBマーケティングの基本のステップが理解できたと思います。
では、実際に会社でBtoBマーケティングに取り組む際、具体的にはどのような流れで進めるのが良いのでしょうか。
ここからは、以下の流れに沿ってBtoBマーケティングへの取り組み方を具体的に解説します。
- 市場の調査・分析を行う
- マーケティング戦略を立案する
- 戦略に沿って各施策を実施する
それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。
1. 市場の調査・分析を行う
まず、BtoBマーケティングに取り組む際には、市場の調査・分析が不可欠です。
一般的には、以下の3つの観点に基づいて調査・分析を進めていきます。
- 市場・顧客を理解する
- 自社の強みや現状を理解する
- 競合他社の強みや戦略を理解する
具体的にどのような作業が必要になるのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
市場・顧客を理解する
BtoBマーケティングに取り組む際は、まず市場・顧客を深く理解することから始めましょう。
BtoB領域では市場・顧客ごとにニーズが大きく異なるため、やみくもにアプローチしても思うような成果につながりません。
たとえば、以下のような方法で市場や顧客理解に取り組みましょう。
| 分析内容 | 手法 |
|---|---|
| 市場分析 | 市場規模、成長性、競合の動向、業界トレンドの調査(業界レポート、ニュース、IR情報など) |
| 顧客理解 | 顧客インタビュー、アンケート調査、Web行動分析、営業担当へのヒアリング |
| 課題の特定 | 顧客が抱える業務上の悩み・課題・改善ニーズを可視化(SFA/CRMやカスタマーサービスの声を活用) |
これらの調査・分析を省略してしまうと、的外れなコンテンツやサービス提案になりやすく、結果として「見てもらえない・選ばれない」マーケティングになってしまいます。
市場と顧客を正確に理解することは、リード獲得・商談化・受注率の向上すべてに直結する、最重要フェーズといえるでしょう。



どんなマーケティングをするにしても、「どんな市場で・どんな顧客が・どんな悩み/ニーズを抱えているか」を理解することは非常に大切です。
自社の強味や現状を理解する
BtoBマーケティングに取り組む際は、自社の強みや現状を把握しておくことも大切です。
そもそも自社に対する理解がなければ、競合他社との差別化が図れず、市場での優位性を発揮することはできません。
自社分析の方法としては、SWOT分析や4P分析などのフレームワークが有効です。
| 手法 | 概要 |
|---|---|
| SWOT分析 | Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取った分析手法。特に、新規市場への参入やマーケティング施策の立案時には、社内外の状況を整理するフレームワークとして重宝される。 |
| 4P分析 | Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)という4つの視点から、自社の商品やサービスのマーケティング戦略を設計するフレームワーク。マーケティングの「基本中の基本」ともいえるフレームワークで、ターゲット顧客に“どうやって価値を届けるか”を整理する際に使われる。 |
これらの手法を用いて、特定の観点から自社のポジションを客観的に評価すれば、ブランド価値やセールスポイントが見えてきます。
また、同時に過去の施策を見直し、改善点を洗い出していくことも大切です。
競合他社の強味や戦略を理解する
BtoBマーケティングを成功させるには、競合他社の強みや戦略を理解するプロセスも欠かせません。
BtoB市場は競合サービスや製品が多様で、顧客の課題解決策も複数存在します。
そのなかで、勝ち筋のあるポジションを築くためには、競合分析によって自社の優位性や差別化ポイントを明確にしておくことが重要です。
競合他社の調査対象は、価格・ターゲット層・プロモーション戦略など多岐にわたります。
Webサイトやカタログ、既存顧客へのヒアリングなどを通して情報収集し、他社にはない自社独自の価値や今後強化すべきポイントを見い出していきましょう。
なお、競合分析はあらゆるマーケティング施策の基盤となるので、戦略策定時だけでなく、継続的に実施することをおすすめします。
2. マーケティング戦略を設計する
市場の調査・分析を終えたあとに着手するべきは、マーケティング戦略の設計プロセスです。
具体的には、どんな顧客に対して、どんな価値を、どんな方法で、提供していくのかを決めていくことになります。
以下で具体的な方法や流れを見ていきましょう。
どんな顧客をターゲットにするのかを決める
BtoBマーケティング戦略で重要になるのは、ターゲットとする顧客層の選定です。
ターゲットを絞り込むことで自社の強みを最大限に活かし、効率的・効果的にマーケティング施策を展開できます。
ターゲット設定の方法はさまざまですが、以下の順序で行うケースが一般的です。
- セグメンテーション:顧客の属性・ニーズに基づいて市場を細分化する
- ターゲティング:特に注力するセグメントを決定する
- ペルソナ設計:セグメントにいる顧客の解像度を高める
なかでも、ペルソナ設計は「どんな顧客に訴求したいのか」を社内全体で共有するために非常に重要です。
以下のように、年齢や属性などを具体的に設定しましょう。


なお、ターゲットを細かく絞ることは重要ですが、固執し過ぎないことも意識しておくべきです。市場動向や顧客の反応を見ながら、定期的に見直すことを心がけましょう。
どんな価値を提供するのかを決める
BtoBマーケティングにおいては、ターゲットとする顧客に対して、自社サービスのどんな価値を提供するのかも明確にしておかなければなりません。
現代のBtoB市場では、商品・サービスの単純なスペックだけで差別化を図ることが難しくなっています。
そのため、「売上向上」や「コスト削減」など、より具体的な価値を訴求することが重要になってくるわけです。
自社の価値を言語化する際には、ポジショニングマップの活用をおすすめします。
x軸・y軸で任意の指標を設定し、自社を含めた関連企業がどのポジションに位置しているのかを振り分けていけば、「自社にしか提供できない価値」が見えてくるはずです。


ポジショニングによって、いわゆるバリューポジションが明確になれば、自社ならではの価値を生み出しやすくなります。



例えば、当社のSEO記事制作代行サービスの場合は「クラウドソーシング並みの費用感で、記事作成代行会社クオリティの記事を作れる」こと、「トップクラスのSEOディレクターが企画・編集すること」を価値としています!
どんな方法で売るのかを決める
どんな方法で売るのかによっても、BtoBマーケティングの成果は左右されます。
同じ価値を持つ商品・サービスでも、売り方次第で顧客の受け取り方や満足度が大きく変わるからです。
商品・サービスの売り方を決める際、まずは以下のようなカスタマージャーニーマップを作成しましょう。


カスタマージャーニーマップは、顧客が購買に至るまでの過程を可視化したものです。
顧客の行動や思考が順を追って整理されるので、フェーズごとのアプローチ方法を検討する際に役立てられます。
上記のカスタマージャーニーマップに基づき、以下のように、各フェーズでどんな方法で顧客と接点を持つかを設計しましょう。
| フェーズ | 顧客の状況 | タッチポイント例 |
|---|---|---|
| 認知段階 | 勤怠管理システムの概要や機能、導入効果についてまだ知らない | コンテンツマーケティング ディスプレイ広告 SNS広告 展示会 タクシー広告 テレアポ DM 業界誌 |
| 興味関心段階 | 勤怠管理システムの導入に関心を持ち始め費用や具体的な効果を知りたい | コンテンツマーケティング ディスプレイ広告 SNS広告 展示会 タクシー広告 テレアポ DM 業界誌 |
| 比較検討段階 | 本格的に勤怠管理システムの導入を検討し始め、どのサービスが良いか情報を集め始めている | 検索連動型広告 比較・ポータルサイト 製品・サービス紹介ページ 導入事例コンテンツ |
| 導入段階 | 導入候補のサービスをいくつかに絞り込み、資料請求を実施。導入可能性の高い企業と商談をする | リターゲティング広告 導入事例コンテンツ サービス資料 メルマガ ウェビナー 商談 |
カスタマージャーニーに基づき決定したタッチポイントのうち、自社サービスと相性が良いものや優先度の高いもの、状況に合ったものから、取り組んでいきましょう。
3. 戦略に沿って各施策を実施する
BtoBマーケティングの戦略を設計できたら、各施策を実施する段階に入ります。
施策実施の際は、現状の課題に応じて優先順位をつけて進めることが重要です。
ただし、基本的にはより受注に近いフェーズの施策から優先的に行っていくのがおすすめです。
例えば、商談数が多くても、商談成約率が著しく低い場合は優先的に改善が必要でしょう。
また、いくらWebサイトへのアクセスが多くても、CV率が低いままだと、リードにはつながりません。
WebサイトやLPのCV率を一定水準に保ったうえで集客に注力すれば、リソースの無駄使いを防ぐことができます。
このように、受注により近いフェーズから、優先的に施策を実施していくことが効率的です。
また、施策を実行する際は定期的に効果測定を行い、戦略とズレが生じていないかを確かめることも大切です。
BtoBマーケティングには良質な戦略設計が”成功のカギ”
BtoBマーケティングは、“戦略なしでは成果が出ない”といっても過言ではありません。
なぜなら、BtoBの購買プロセスは以下のような特徴を持っており、行き当たりばったりの施策ではなかなか太刀打ちできないからです。
- 購買までの意思決定に複数人が関与する
- 購買までの検討期間が長い
- 導入前に詳細な情報収集・比較が行われる
戦略が曖昧なまま進めてしまうと、 「とりあえず広告を出して終わり」「どのリードを優先すべきかわからない」など、施策がバラバラになり、成果に結びつかなくなるリスクが高まります。
また、BtoBマーケティングにはさまざまな部署が関与するうえ、関係者も多いため、マーケティング部門単独では推進できません。
その点、明確な戦略があれば、営業・経営陣からの理解も得やすくなり、全社で一貫したマーケティング体制を築くことができます。
なお、現在では「インバウンド戦略」「アカウントベースドマーケティング(ABM)」「トリプルメディア戦略」「The Model」など、すでに体系化されたBtoB戦略モデルも多数存在しています。
さらに、それらを実行するためのツール(MA、CRM、SFAなど)も多く活用されています。
必要に応じて、これらの手法やツールを活用することも大切です。
BtoBマーケティングの具体的な施策・手法7つ
ここからは、BtoBマーケティングでよく用いられる施策・手法として、以下7つを紹介します。
- BtoBマーケティングに最適化されたサイト制作
- コンテンツマーケティング
- インサイドセールス
- カスタマーサクセス
- アカウントベースドマーケティング
- 広告運用
- SNS運用
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
BtoBマーケティングに最適化されたサイト制作
BtoBマーケティングにおいて、Webサイトはオンラインでのリード獲得施策の”軸”となる非常に重要なものです。
Web広告からの着地先のLP、顧客の検索からアクセスを集めるSEOコンテンツ、購買意欲を高める導入事例コンテンツなど、オンライン施策はほとんどがWebサイトを軸に展開されます。
したがって、最低でも以下のような条件を満たす、BtoBマーケティングに最適化されたWebサイトの制作が欠かせません。
- サービスページや料金ページなど必要なページが揃っていること
- SEOに強いこと
- 記事コンテンツを投稿する機能が備わっていること
- 導入事例コンテンツを投稿する機能がそなわっていること
- CTAや問い合わせフォームなどコンバージョンへの適切な導線が設けられていること
- UI/UXが優れていること
- 効果測定用のタグが適切に埋め込まれていること
- セキュリティ対策が万全であること など
Webサイトは後からリニューアルすることもできますが、予算がある程度ある場合は、初めから上記の条件を満たすものを構築できるとよいでしょう。
また、多くのWeb制作会社には、デザイン性の高いWebサイトは作成できても、BtoBマーケティングやリード獲得のことを考えたWebサイトは制作できません。
弊社のようなBtoBマーケティングを得意とするWebサイト制作会社を活用しましょう。
コンテンツマーケティング
BtoBマーケティングの代表的な戦略・手法として、「コンテンツマーケティング」が挙げられます。
コンテンツマーケティングとは、ターゲット企業が抱える課題や関心に適した情報を提供し、信頼関係を築きながら見込み顧客の獲得・育成を目指す手法です。
直接営業だけでは接点を持ちにくい層にも、コンテンツを通じて自然にアプローチできれば、リードの獲得や顧客との長期的な関係構築につながります。
具体的な施策には、以下のようなものがあります。
- ブログ記事・SEOコンテンツ
- SNS投稿
- YouTube動画投稿
- ホワイトペーパー
- メールマガジン・ステップメール
- ウェビナー・セミナー
たとえば、弊社のSEO記事制作代行サービスでは、「記事作成ツール」という、ターゲットユーザーが検索しているキーワードで上位表示が狙えるようなSEOコンテンツを公開しています。


上記のコンテンツは、「記事作成ツール」や「記事作成」という検索で1~3位以内に表示されており、毎月多数のアクセスを集めています。
また、コンテンツの中には、以下のようにサービスサイトへのリンクやSEO記事制作代行サービスへの問い合わせの導線(CTA)を設けており、リード獲得ができています。


他にも、SEOコンテンツ内に、氏名や連絡先などの情報と交換でホワイトペーパーをダウンロードできるフォームを設け、リードを獲得。そこで得たリードにメルマガを配信し、関心の高いリードはウェビナーに誘導、その後商談打診するような仕組みを設けるのも非常に効果の高い手法です。
SEOコンテンツに限らず、YouTubeやSNSなどでも、同じような形でコンテンツを発信⇒リードを獲得という仕組みを構築することができます。




インサイドセールス
「インサイドセールス」も、BtoBマーケティングにおける主要な戦略・手法のひとつです。
インサイドセールスとは、非対面コミュニケーション手段を用いて、見込み顧客との良好な関係性を維持しつつ、対面営業などのフィールドセールスにつなぐ手法のことを指します。
商品・サービスによっては全ての顧客に対して対面営業を行うのも有効ですが、費やす労力や時間を考えるとやはり非効率です。
インサイドセールスを活用することで、効率よく、多くの見込み顧客にアプローチでき、営業リソースの最適化や商談化率・受注率の向上が期待できます。
インサイドセールスで用いられる主なツールは以下の通りです。
- 電話
- メール
- SNS
- オンライン会議ツール
特に、機能や特徴を簡単に説明できる商材を扱う場合はインサイドセールスとの相性が良いので、積極的に取り入れることをおすすめします。
場合によっては、インサイドセールスのみで商談を成立させることも可能です。
カスタマーサクセス
BtoBマーケティングの主な戦略・手法としては「カスタマーサクセス」も挙げられます。
カスタマーサクセスとは、顧客が自社商品・サービスを通じてメリットを実感し、継続的に利用し続けられるように支援する活動のことです。
従来のカスタマーサポートが受動的な問題解決にとどまるのに対し、カスタマーサクセスは顧客の潜在ニーズを先回りして把握し、積極的なフォローを行う点が特徴といえます。
カスタマーサクセスの具体的な施策には、以下のようなものがあります。
- 導入初期の定着サポート
- 利用状況の定期モニタリングとアドバイス
- ユーザー向けウェビナー・研修の実施
- 顧客の声を踏まえたサービスの改善
- 問い合わせ対応やFAQページの充実
たとえば、クラウドサービスを提供するのであれば、導入する際に個別サポートや操作説明会を実施したり、利用データを分析して最適な活用方法を提案したりすることで、業務効率化をはじめとした成功体験を後押しできます。
BtoBビジネスのサービスは長期利用を前提としているケースも多いので、単なる「販売者」ではなく「伴走者」としてサポートする姿勢が非常に重要です。
アカウントベースドマーケティング
BtoBマーケティングの戦略・手法として、「アカウントベースドマーケティング(ABM)」を導入するのも選択肢のひとつです。
アカウントベースドマーケティングとは、自社にとって価値の高い特定の企業(アカウント)を設定し、ターゲットごとにカスタマイズされたマーケティング・営業活動を展開する手法を指します。
リソースを優良顧客に集中投下することで、ROI(投資利益率)、つまりコスパの向上を期待できる点が特徴です。
特に高単価商材や長期契約が期待できるBtoBビジネスでは、アカウントベースドマーケティングの導入効果が大きいとされています。
一般的なABMの手順は以下の通りです。
- 対象とする企業(アカウント)の選定
- 意思決定権を持つキーパーソンの調査
- アプローチ方法の検討
- アプローチ
- 効果測定
さまざまなツールの普及によって情報の一元管理が容易になった今、ターゲットとするべきアカウントの抽出や「1to1」のコミュニケーションも難しいものではなくなりました。
実際、アカウントベースドマーケティングを導入して成果を上げている大手企業も多く、現代では主流なマーケティング戦略のひとつといえます。
広告運用
BtoBマーケティングの戦略・手法として、「広告運用」が活用されるケースも数多く見受けられます。
主な広告チャネルは、以下の通りです。
- リスティング広告:検索エンジンの検索キーワードにあわせて表示する広告
- ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上に表示されるバナー広告
- リターゲティング広告:自社に関わりのある顧客を追跡してアプローチする広告
- SNS広告:Facebook・Instagram・XなどのSNSプラットフォームに出稿する広告
- 動画広告:YouTubeなどで配信する動画コンテンツ型の広告
広告運用では目的・ターゲット・予算を明確にし、KPIを設定しておくことが重要です。
また、広告チャネルごとに異なる特性があるため、最適な媒体を選定し、定期的な効果測定と改善を繰り返すことが成果につながります。
SNS運用
BtoBマーケティングに取り組むのであれば、SNS運用を導入することも検討してみてください。
SNS運用とは、X(旧Twitter)・Facebook・LinkedIn・YouTube・InstagramなどのSNSを活用し、ターゲットとする企業や意思決定者と継続的な接点を構築する手法です。
従来の営業や広告だけではリーチできない層にも情報を届けやすく、低コストで実施できる点が特徴といえます。
また、自社のファンを獲得できることもSNS運用の強みです。
最近では、会社のアカウントはもちろん、担当者がそれぞれにアカウントを持ち、より親しみやすい投稿でファンを獲得している事例も増えています。
なお、BtoBのSNS運用はBtoCと異なり、大量のフォロワーを獲得したり、バズを狙ったりする必要は基本的にありません。
継続した情報発信により、顧客との信頼関係を構築・維持することが大切です。
BtoBマーケティングで成果を上げるためのポイント
ここからは、BtoBマーケティングで成果を上げるためのポイントとして、以下2つを紹介します。
- 社内の部署間で連携を強める
- MAツールを導入し、適切に運用する
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
社内の部署間で連携を強める
BtoBマーケティングで成果を上げるためには、「営業・マーケ・カスタマーサクセス」など、部署を超えた連携が欠かせません。
BtoBでは、1件の受注に至るまでに長い検討プロセスがあり、多くの関係者が関わります。そのため、社内の情報やノウハウを部門間で共有し、一貫性のあるアプローチを行うことが重要です。
たとえば、リード獲得はマーケティング部門の役割とされがちですが、その後の商談化・受注に至るプロセスは営業部門が主導します。
このとき、マーケティング部門が営業と連携せず、成果状況(受注・失注)を把握していなければ、「成果につながらないリード」を集め続けてしまうリスクがあるのです。
一方、部署間でしっかりと連携をとっていれば、以下のようなメリットを得られます。
- 商談化しやすいリードの特徴がわかる → リード獲得施策の精度向上
- CSと顧客のニーズや導入背景を共有 → コンテンツや提案資料に反映
- 開発部門との連携 → 顧客の声をもとにした製品改善
BtoBマーケティングの本質は、「リードを獲得すること」ではなく、顧客との長期的な信頼関係を築き、受注・継続利用につなげることです。
そのためには、マーケティング部門だけでなく、全社的な視点で“顧客に向き合う”体制づくりが不可欠といえるでしょう。
MAツールを導入し、適切に運用する
BtoBマーケティングで成果を上げたいのであれば、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入も積極的に検討しましょう。
MAツールは、顧客情報の管理やスコアリング、自動メール配信などのアプローチを自動化できる高機能ツールです。
うまく活用できれば、業務効率化を図りつつ、商談化率・受注率を向上させることができます。
ただし、マーケティングノウハウに乏しい企業は、MAツールの導入そのものが目的になってしまうケースが多いので注意してください。
対象とする顧客の属性や規模などに見合ったMAツールを導入し、費用対効果を意識して運用することが大切です。
【2026年最新】GEO/LLMO・エージェンティックコマース時代のBtoBマーケティング対策
記事前半で解説した通り、BtoB購買プロセスはAI検索の急速な普及で構造的に変化しています。本章では、この変化に対応するための具体的な施策(GEO/LLMO対策・エージェンティックコマース対応)を、従来のオンライン施策の延長線上に重ねる形で整理します。
GEO/LLMO:AI検索で引用されるための新しい最適化手法
こうした変化を受け、BtoBマーケティング領域ではGEO/LLMO/AEOと呼ばれる新しい最適化手法が急速に確立されつつあります。
どれも呼び名は違いますが目的は同じで、ChatGPT・Perplexity・AI Overviewsなどの生成AIが回答を作る際に、自社ブランド・サービス・コンテンツを引用・推薦してくれるように最適化する取り組みを指します。
BtoB領域のLLMOでは、第一目的が「AI回答内での自社ブランドメンション数の増加」となります。
なぜなら、BtoBの購買プロセスは比較検討が長く、バイヤーがAIに「◯◯領域の代表的な企業は?」「△△業務を支援するSaaSは?」と質問したときに、自社名が挙がるかどうかが、商談入口の母数を決めるからです。
Ahrefsが2025年12月に75,000ブランドを対象に行った大規模調査でも、AI検索可視性と最も強く相関する要因はブランドのウェブ言及(サイテーション)でした。
| 要因 | ChatGPT | AI Overviews |
|---|---|---|
| ブランドのウェブ言及(サイテーション) | 0.664 | 0.656 |
| 被リンク数 | 0.293 | 0.280 |
| ドメインレーティング(DR) | 0.266 | 0.326 |
注目すべきは、ウェブ上のブランド言及が被リンクの2倍以上の相関を示している点です。BtoB領域では特に、業界メディアでの寄稿・専門家としての引用・ホワイトペーパーからの言及などが、AI検索での自社可視性に直結します。
BtoB企業が「AIに選ばれる」ための3つの条件
弊社が200社超のLLMO支援で整理している「AIに選ばれる」ための前提条件は以下の3つです。
- AIが自社・製品を学習するための「情報」が自社サイトに充実していること(会社概要・製品仕様・導入事例・料金・FAQが網羅されているか)
- 公開した情報を技術的にAIが理解しやすいこと(JSON-LDによる構造化データ実装、見出し構造の整備、曖昧さのない記述)
- 自社サイト外の言及を通じて情報の裏付けができていること(外部メディア・比較記事・プレスリリース・一次情報の公開による多点からの言及)
この3条件を満たしたうえで、明日から着手可能なLLMO対策として以下の7つが有効です。
- 会社・製品情報ページの充実
- FAQ(よくある質問)の充実
- 会社情報の構造化データ(JSON-LD)の実装
- 外部ポータルサイトや比較記事への掲載依頼
- プレスリリースの継続的な配信
- 独自データを含む一次情報(事例・調査)の公開
- Googleビジネスプロフィールの作成・更新
3つの条件・7つの施策の詳細や、LLMO対策を本格的に進める場合のロードマップについては、弊社のLLMO完全ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。


エージェンティックコマース:AIエージェントが購買担当者になる未来はすぐそこ
LLMOが「AIが回答を生成する際に自社が引用される」ためのものだとすれば、2026年以降BtoBマーケティングで避けて通れないもう一つのトピックがエージェンティックコマース(Agentic Commerce)です。
エージェンティックコマースとは、AIエージェントが人間に代わって商品・サービスの調査、比較、選定、場合によっては決済や契約交渉までを自律的に行う新しい商取引の形を指します。「AIに代わりに買い物させる」時代の到来です。
すでに始まっている主要プラットフォームの動き
2025〜2026年にかけて、主要プラットフォームが一気にエージェンティックコマースのインフラを整備しています。
- OpenAI + Stripe「Agentic Commerce Protocol(ACP)」:2025年9月よりChatGPT上で稼働。ChatGPTの回答内から直接購入まで完結できる「Instant Checkout」を提供
- Google連合「Universal Commerce Protocol(UCP)」:2026年1月発表。Google検索のAI ModeとGeminiに実装予定
- OpenAIはACP経由の決済ごとにマーチャント側から取引額の4%を手数料として徴収する仕組みを公表済み
これまで消費者向け(BtoC)の文脈で語られがちだったエージェンティックコマースですが、BtoB領域こそこの波の本丸になるとの予測が各所から出ています。
BtoB調達の9割がAIエージェント経由になる予測も
Gartnerは、2028年までにB2B購買の90%がAIエージェントによって処理されるようになり、約15兆ドルの取引が自動化された交換網を通じて流れると予測しています。
より近い時点での予測として、Forresterは2026年末までにBtoB販売担当者の20%がAIエージェントとの見積もり交渉を経験するとしています。
こうした変化は、BtoBマーケティングにとって次の2つの意味を持ちます。
- 比較検討の初期段階で「AIに発見される/選ばれる」ことの重要性が飛躍的に上がる:人間のバイヤーを動かす前に、AIエージェントの候補リストに入らなければ、そもそも比較の土俵に上がれない
- 料金・仕様・条件など「AIが交渉に使う情報」の公開設計が競争力になる:機械可読な料金表、SLA、導入条件を用意していない企業は、AIエージェントの比較テーブルから外れる
つまり、前章で解説したLLMO対策(会社・製品情報の充実、構造化データ、外部言及の獲得)は、エージェンティックコマース時代の「AIに選ばれるBtoB企業」になるための土台そのものです。LLMOに取り組むことは、目先のAI検索対策だけでなく、数年後にAIエージェントに調達代行されるBtoB市場への備えも兼ねています。
2026年にBtoBマーケターが押さえるべき4つの論点
上記を踏まえ、2026年のBtoBマーケティング担当者が優先的に押さえるべき論点は次の4つに整理できます。
- AI検索可視性をKPIに組み込む:AI回答内での自社言及数・シェアを定期的に計測する。Ahrefs Brand Radar等のツールで実測可能
- コンテンツ制作の評価軸を「SEO順位+AI引用率」に拡張する:記事・ホワイトペーパー・事例コンテンツが、AI検索でどの程度引用されるかを評価指標に加える
- 外部からのブランドメンション施策を再強化する:業界メディア寄稿、専門家としての登壇、業界レポートへの出稿、比較記事への掲載依頼、プレスリリースなど、ウェブ上の言及を増やす活動がAI検索可視性に直結する
- エージェンティックコマース時代に向けた情報整備を前倒しで進める:料金・仕様・導入条件・FAQ・会社情報を構造化データ(JSON-LD)込みで機械可読に整えておく。AIエージェントの比較テーブルに載るための最低条件を、早いうちにクリアしておく
これらは従来のオンライン施策(SEO、広告、サイト制作)を置き換えるものではなく、その上に重ねて実施すべき新しいレイヤーです。2026年以降のBtoBマーケティングでは、「Google検索に対するSEO」と「AI検索に対するGEO/LLMO」、そして「AIエージェントに対するエージェンティックコマース対応」の3層を重ねて回すことが標準形になっていきます。
BtoBマーケティングの成功事例
最後に、BtoBマーケティングの成功事例を2つ紹介します。
シュワット株式会社(弊社)


弊社シュワット株式会社は、設立3期目を迎えたばかりの企業ですが、オンライン施策を中心としたBtoBマーケティングの成功により、かなりのスピードで会社が成長できています。(3期目で年商3億/社員30名着地見込み)
弊社のBtoBマーケティングにおける、大きな特徴は「選択と集中」です。
会社設立段階で、BtoBマーケティングにかけられる予算が数十万円しかなかったため、やれる施策や狙える市場が限られていました。
そこで、市場調査のうえ、創業期は市場規模と競合性の兼ね合いから、SEO記事制作代行事業に集中することにしました。
創業期社員は代表1名しかいなかったため、テレアポや展示会などはできず、SEOとGoogle広告を中心としたインバウンドマーケティングを選択しています。
SEO記事制作代行サービスを利用するユーザーが検索する「SEO記事制作」「SEO記事制作代行」といったキーワードで、「SEO」「リスティング広告」「ポータルサイトへの情報掲載」による検索画面のジャックを当面の目標として設定しました。
▼検索画面ジャックの例


立ち上げ約1年の段階で、以下のように「SEO記事制作」「SEO記事制作代行」といったキーワードで検索1位を獲得できています。この段階で他のページも含めるとサイト経由の月間リード数は40件を超えました。
▼SEO記事制作代行で検索1位になっている例


また、リソースも代表1名だったため、リードの数ばかり増えても営業しきれないため、リードの質を「サービス利用問い合わせ」経由のみに絞りました。リード数は減りましたが、商談成約率は80%を超えることができ、限られたリソースでも徐々に会社を成長させることができています。
その後は、社員も増えてきてリードナーチャリングができるようになったため、いきなり商談化が難しいホワイトペーパー系のリードも獲得するような施策も開始しています。
このように、BtoBマーケティングにおいては、自社の状況や市場、競合に合わせて、施策の選択と集中をすることが大切です。戦略的に進めるようにしましょう。
株式会社LayerX|バクラク


株式会社LayerXのバクラクは、オンライン施策を中心としたBtoBマーケティングにおいて、大きな成功を収めています。
特に、Webサイトにアクセスしたユーザーをコンバージョンに導く、導線設計が極めて洗練されており、非常に参考になります。



プロの目線から見ても、勉強になる箇所の多いWebサイトです。
ヘッダーの追従やナビゲーションのわかりやすさ、ページごとのCTA最適化など、完成されています。
▼ヘッダーの追従やナビゲーションのわかりやすさ


▼ページ別のCTAの最適化


自社サイトのCVR改善を目指していく際は、ぜひ参考にしてほしい事例です。
富士電機ITソリューション株式会社


富士電機ITソリューション株式会社におけるWebサイトのリニューアルにより、リード数を増加させた事例を紹介します。
同社は、データ活用プラットフォーム「軽技」専用サービスサイトの抜本的な見直しと継続的な改善により、問い合わせ数を約3倍に増加させ、営業活動の効率化を実現しました。
ポイントは、専門家のアドバイスを受け、従来型ウェブマーケティングから脱却した点です。
具体的には、問い合わせまでの導線設計やSEO対策の改善によるサイト構成の大幅な変更に乗り出しました。
また、Googleアナリティクスによる定量的分析と担当者による定性的分析に基づき、改善を繰り返したことも問い合わせ数の増加に寄与したものと考えられます。
サービスサイトを軸に、SEOコラムや特設LPなどと組み合わせた情報発信は、新規顧客の獲得に向けたテストマーケティングとしての役割も果たしており、他事業にもプラスの影響を与えています。
ビジネスエンジニアリング株式会社


ビジネスエンジニアリング株式会社は、Webサイトの最適化と広告施策の見直しによって新規顧客獲得数を大きく伸ばしています。
同社はオフライン中心の営業活動からデジタルマーケティングへと舵を切り、質の高いリードの獲得を実現しています。
具体的には、広告キーワードに合わせた専用LPを立ち上げ、ユーザーの興味・関心に即した情報提供を可能にしたことで、Webサイト経由の問い合わせや資料請求が増加しました。
また、ノウハウを持つ外部パートナーと連携し、PDCAを回しながら継続的に改善を重ねたことも、BtoBマーケティングが成功した要因となっています。
リスモン・ビジネス・ポータル株式会社


リスモン・ビジネス・ポータル株式会社がデジタルマーケティング施策の最適化によって、クラウド型グループウェア「J-MOTTO」の成約率を大幅に向上させた事例です。
同社は、Webマーケティング施策のノウハウが蓄積されていないことを課題として捉え、外部パートナーとの協働による解決を目指しました。
具体的には、Webサイト・LPの改修、広告チャネルの見直し、ホワイトペーパーの制作などを1年かけて実施し、CV数が倍増、そして、CV後の成約率は1.5ポイントも向上しています。
また、自社メディア経由のCVが外部メディアを上回り、外部要因に左右されないリード獲得体制の構築に成功したことも大きな変化といえるでしょう。
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まとめ
本記事では、BtoBマーケティングについて、基本的なステップや流れ、具体的な手法などを詳しく解説しました。
企業を対象にしたビジネスを展開する際、BtoBマーケティングの考え方は必要不可欠です。
しかし、BtoBマーケティングのノウハウが蓄積されておらず、思うような成果を上げられていない企業も少なくありません。
実際、BtoBマーケティングは専門性が高いので、容易に遂行できるものではなく、成果が出るまでには時間がかかりやすいのも事実です。
そのため、BtoBマーケティングの導入・強化を検討しているのであれば、外部パートナーとの協業も選択肢に入れておくべきでしょう。
専門家の助言を受けながら、長期的な視点でBtoBマーケティングに取り組めば、顧客数の増加や商談化率・受注率の向上につながっていくはずです。
自社に適したマーケティング戦略を設計・実行し、持続的な成長を目指しましょう。






